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シークスがRenzokuBiologicsの第三者割当増資引受により子会社化

シークスがRenzoku Biologicsの第三者割当増資を引受けること子会社化する。

近年のライフサイエンス分野における基礎研究の進展により、医薬品市場におけるバイオ医薬品の割合が増加しており、バイオ医薬品は医薬品分野の成長領域となっている。特に微生物や細胞を利用したバイオ医薬品は、その製造プロセスが複雑であり、製法開発および製造のための費用は低分子医薬品と比べて著しく高くなります。

バイオ医薬品、とくに抗体医薬品は、大型培養槽を備えたバッチ生産方式が現在の標準的な生産方法となっているが、施設設備に対する投資規模が大きく、柔軟な生産スケール調整が難しいなど、少量多品種生産には適していないという課題があります。

世界の大手製薬会社は、新薬開発を成功させるために、社内だけでなく社外の受託製造能力も最大限活用して開発を進めていますが、他方、資金力のない新興企業や研究機関にとってはコストが嵩む大規模なバイオ医薬品製造設備を利用するのは難しいこともあり、バイオ医薬品産業の水平分業のトレンドが続いているなか、市場には構造的に満たされていない多くの潜在的需要(アンメットニーズ)が存在している。

Renzoku社は、バイオ医薬品生産分野におけるイノベーションを通じて日本の創薬エコシステムの強化に貢献し、バイオ医薬品を待ち望む世界の患者さんの健康と医療に貢献することをミッションとしております。その実現のために、細胞の培養工程から目的タンパク質の分離精製工程までを一体化したエンド・ツー・エンドの完全連続生産技術を初めとする、先進的な生産技術の産業利用を加速することによってイノベーションをもたらし、バイオ医薬品生産分野のアンメットニーズに応えることを目指している。

シークスは、同社への出資を通じて、抗体医薬品の完全連続生産技術の社会実装を支援し、この技術を基盤として新たにバイオ医薬品のCDMO事業に取り組んでまいります。完全連続生産技術は、培養槽を小型化できるといったメリットがあるため生産スケールの可変性が高く、少量多品種生産に対してもフレキシブルな対応ができるほか、高い生産効率とコスト効率を実現しうる次世代の生産方式です。

シークスがこれまでEMS業界のリーディングカンパニーとして深化させてきたDX/ICTを駆使したデータ化・定量化・可視化・リモート化等のオペレーションマネジメントや自動化・省人化の技術の組み合わせを、バイオ医薬品の連続生産のためのオペレーションにも応用し、エレクトロニクス業界で先行している水平分業におけるグローバルな経験を次世代のバイオ医薬品工場の実現に活かしていく。


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